ジュエリー・バイヤーズ・ダイアリー

相場情報

2016年6月24日

英国 EU離脱へ

英国の国民投票結果 EU離脱派が過半数を確保する結果となりました。

いくつかの要因があるようですが、その一つに移民の問題があるようです。

所得の低い国に住む人が、よりよい収入を求めて、英国に押し寄せた結果、地元の労働者の職がなくなり、根強い不満を生み出したようです。

現状で満足している人よりも、何かに不満を持っている人の変えたい気持ち、行動力、パワーの方が強いのだと思います。

今後、英国が実際にEUを離脱するか否かには2年程の検討期間があるようなので、すぐに離脱ということにはならないようですが、短期的には、世界市場に大きなインパクトを与えそうです。

リスク資産と呼ばれる株や、ドル、ユーロなどが売られ、安全資産として考えられている円や、金などが買われる流れが生まれる見込みです。

日本国内のリユース宝飾品の需要は、中国、インドに支えられて来ましたが、円高が大きく進むことで、その支えがなくなり、取引が停滞することが予想されます。

そのため、業界としても、逆風であることには間違いなく、多くの企業が方向転換を強いられることになりそうです。

一方で、EU離脱で良い影響はないのか考えてみると…。

世界経済的には、良いことはあまりないように見えますが、これから、英国が移民を受け入れず、古き良き英国に回帰していくことで、将来に英国らしさを残していくことは、良い面もあるのかなと思います。

経済の規模を目指さず、英国らしさ、強みを活かして、生きていく道を歩む決断をしたわけなので、短期的には、マイナスが大きいかもしれませんが、50年後、100年後に振り返った時に、あの時の勇気ある決断は間違っていなかったと思える日が来る可能性もあるかもしれません。

日本でも、今回の英国の課題は決して他人事ではなく、これから少子高齢化社会を迎え、移民の受け入れなども検討していく局面が来るかもしれないからです。その時に、どんな問題があるのか、どう対処すればよいのか、英国、EUから学ぶことができると思います。

当社にとっても、今回の結果、そして市場環境の変化は、大きな出来事で、おそらく、これから、逆風局面になることが予想されますが、こんな時こと原点回帰し、本来あるべき姿を見つめ直して、歩みを進めていきたいと思います。

2016年1月31日

日銀のマイナス金利と宝飾品の相場動向

先日、日銀がマイナス金利政策を発表いたしました。

昨年末にアメリカがゼロ金利を解除して、金利を今後、段階的に上げていくという方針を打ち出しましたが、日本は逆に、更に金利を下げるという政策を打ち出し、世界経済に衝撃を与えたようです。

この政策の狙いは、世の中に流通する貨幣(円)の量を増やすことで、物価の上昇、賃金の上昇、企業の設備投資、円安、株高などの連鎖を誘発することだと思います。

実際、一時的ではありますが、政策を発表した後は、ドル円の為替相場が118円→121円となり、日経平均も約600円上昇しました。

まさに、狙った通りの市場の反応と言えますが、実際のところは、そう簡単な話でもないようで、中長期的に本当に効果が期待できるのか、疑問を持っている人も多いようです。

また、日本政府、日銀が描いているように、本当に物価の上昇が安定的に実現するのであれば、貨幣の価値が下がり、モノの価値が上がるということですので、もし、金やプラチナ、ダイヤモンドの売却を検討している場合、できるだけ売らずに持っていた方が、値上がりを期待できることになります。

円安で海外の貨幣価値に対して、円の価値が下がるので、資産を円で保有するより、実物資産で保有したほうが良いという選択が正しい時代になってくる可能性があります。

しかし、日本政府、日銀の思惑通りにいかないのが、海外の情勢です。

実際、金の国際相場(海外取引相場)は、2012年9月をピークに、下落が続いているため、国内の取引相場も、軟調に推移しています。

期間:2010年01月~2015年12月

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青線:海外ドル建価格、赤線:田中貴金属 税抜参考小売価格

出典:田中貴金属ウェブサイトより

ダイヤモンドやプラチナ、色石(カラーストーン)なども同様に、中国などの需要減退に比例して、相場が下落しています。

そこがなかなか難しいところで、「物価が上がるから、売らずに持っておこう。」という選択が必ずしも正しいとは言えないわけです。

では、今後はどのような展開になるのか?

それは、予想が難しいところですが、2020年の東京オリンピックを控えて、国内の経済が力強く成長するか否かは、今年が正念場となるのではないかと、市場の参加者は考えているようです。

私たちも、よくお客様に「今は売り時ですか?」とよく聞かれますが、正直分からないので、極力、起こった過去の事実だけをお伝えするようにしています。そして、先のことは予想が難しいこともお伝えし、その上で、現在の相場を元に適正な査定ができるように努めております。

「木を見て森を見ず」→「木をみて森も見る」を心がけ、現場の視点を大切にしながらも、世界経済の動向など大きな視点からも学び、日々の商いに励んでまいります。

2015年11月28日

ファーストペンギン

私の中で、今、ちょっとしたペンギンブームがやってきています。

「あなたはファーストペンギンである。群れの中で率先して海に飛び込む勇気あるペンギンのように、胸を張って堂々と生きろ。」

NHK朝ドラ「あさが来た」でディーン・フジオカさん演じる五代友厚が、ヒロインのあさに告げた言葉です。

衰退産業である両替屋の商いに留まらず、新しい時代の変化に対応するため、九州で新規事業である炭鉱産業に取り組むあさを励ますための言葉です。

また、今週、名古屋からの帰りの新幹線車内で読んだ本のタイトルは「カモメになったペンギン」。

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こちらは、ペンギンたちの世界が舞台となっています。温暖化で氷が解けて、生活しているコロニー(土地)が消滅する危機を認識し、新しいコロニーへの移住を検討していくわけですが、その中では、当然、反対する意見も出てくるわけで、そんな中、どのように組織を変革し、皆の気持ちを同じ方向に向けて、実際に行動していくべきかが8段階のステップに分かれて述べられていました。

現実社会でも、スピードの違いはあるにせよ、同じように環境の変化は起きていると思います。特に、IT業界などは、変化のスピードが速く、日々、新しい企画を立てて、チャレンジしていくことが求められる業界だと思いますので、そこで生き抜いていくのはすごく大変なことだと思います。

一方で、宝石業界や、リユース業界の変化は、IT業界などに比べると、速度は遅いと思いますが、それでも、やはり環境の変化は起きています。

・中国経済の減速による需要の低下→相場下落
・VW排ガス規制問題を発端としたプラチナ相場の下落
・アメリカの利上げ観測が要因の一つとなり金相場の下落

まさに、ペンギン達の住む氷でできたコロニーがゆっくりと時間をかけて溶けていくように、宝飾品、貴金属相場の下落も少しづつ進行しており、まだ底が見えないような状況です。

そんな状況の中、果たして、自分はファーストペンギン、カモメになれるのだろうか…。

それは分かりませんが、唯一、確かなことは、「そうなりたい!なれる!」と思うことがファーストステップだと思いますので、まずは、自分がペンギンの着ぐるみを着て、一生懸命ジャンプしているイメージを持ちながら、今日の夕方の便で、香港に飛び立ってきます。

2015年7月30日

夏季相場

福岡では例年よりやや遅い梅雨明けとなり、いよいよ夏本番ですが、宝飾品の相場は、冷え込み気味です 汗

まずは、金・プラチナがここ1ヶ月で約10%下落しました。

国内での取引相場は、為替が123円近辺で安定しておりますので、まだ相場が維持されておりますが、海外のマーケットでは、売りが持続し、価格は下落傾向です。

様々な要因が関係していますが、金については、アメリカの利上げ観測の影響が大きいようです。利上げが実施されると、金利のつかない金を売って、ドルを買おうという流れが加速するためです。

プラチナについては、中国経済の先行き不透明感から、車の生産が落ち込むのでは?という予測などから、その触媒に使われる素材=プラチナは売られやすくなっているようです。

テレビなどで高騰が取り上げられているダイヤモンドも実際には、ここ半年くらい横ばい→下落の流れが続いています。

7月に入り、国際的なダイヤモンド取引指標として使われているラパポートも全面的に相場下落改定しました。具体的な下落幅としては、ラパポート上では5%前後、そして、需給バランスの悪化でさらに5%。合計で10%ほど、下落しているイメージです。

毎年、7~8月になると、欧米の主要なプレーヤー、取引所が夏季休暇に入るため、相場は下落することが多いのですが、今年は、同時にギリシャ債務問題→中国株価下落問題 が発生していて、さらに、市場関係者の気持ちが後ろ向きになっているように感じます。

当然と言えば、当然ですが、そのような地合いの時には、買いたい人より、売りたい人の数が勝り、供給過多になりやすく、実際、全国で開催されている宝飾品オークションでも、出品される数は、過去最多に迫る勢いとなっています。

先行きが不透明にも関わらず、売りたい人が多いので、相場が下がるという結果になっています。

しばらくは、このような市況環境が続くと思いますが、その時々の相場をしっかりと把握し、お客様からのご売却査定ではベストプライスでご提案できるように努めてまいります。

個人的には、相場は上がることもあれば、下がることもあるのが、当たり前ですから、相場の上下に一喜一憂せずに、中庸の心で歩んでいくことが大切かなと考えております。

2015年6月21日

リユース宝飾品の相場動向

梅雨の季節ですが、福岡はそれほど雨が降らず、水不足にならないか少し心配しています。

さて、今年も折り返しの6月が終わろうとしています。 最近の宝飾品2次流通(中古)市場の動向をレビューします。

1.ダイヤモンド

例年通り、夏に向け、相場は軟調に推移しています。

特に、昨年3割程度、相場が上昇したポインターと呼ばれる1ct未満のダイヤモンドで、D-Fカラー、VVS-VSクラスは、この先、昨年の値上がりの反動で、大きく価格を下げることが懸念されています。

一方で、1ct以上のサイズの石は、昨年、弱い相場が続いたこともあり、今年に入ってからは、底堅い印象です。ただし、中国、インドの需要が強くないこともあり、決して、上昇傾向ではなく、横ばいといった感じです。

2.金・プラチナ

今年に入ってからは、金→横ばい~やや上向き、プラチナ→やや下向き の相場です。 ここ1ヶ月を見ると、金は約+200円/g、プラチナは-100円/g となっています。

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出典元 田中貴金属 日次金価格推移

3.カラーストーン

ルビー→上昇傾向、サファイア→横ばい、エメラルド→横ばい、ヒスイ→下落傾向、パライバトルマリン→上昇傾向、レッドトルマリン→横ばい~やや下落傾向、グリーントルマリン→横ばい~やや下落傾向、血赤サンゴ→上昇傾向

といった感じです。昨年同様に香港での需要が相場牽引の中心になっており、特に、赤色と緑色の宝石に対する需要が、年々、高くなっている状況です。

また、最近では、美しさと同時に、その産地の重要度も高まってきており、ルビー、サファイアのビルマ産、エメラルドのコロンビア産、パライバトルマリンのブラジル産のものは、今後、益々、流通量が減少し、相場は高くなっていくと予想されます。

4.ブランドジュエリー

ここ1~2年、海外からの引き合いも強まり、相場は上昇傾向です。

特に、流通量が少なく、希少性の高いブランドジュエリーは、以前の2割程度高い相場で取引されています。

全体を通していえることは、相場は停滞状態ではありますが、希少性が高く、美しい宝飾品は、市場環境に関わらず、高値で取引されており、良いものと、そうでないものの価格差が、年々、開いていっている印象です。

当店にご依頼いただいた宝飾品について、プロとして、的確なアドバイス、適正査定が提供できるように、引き続き、相場動向を注視していきます。

また、国内だけでなく、海外での市場動向にも、精通できるように、情報収集&現地での市場調査を続けてまいります。

2015年3月15日

2015年3月香港ジュエリーショー

2015年3月に開催された香港ジュエリーショーの概況です。

「香港ジュエリーショーは予想通り中国人バイヤーが少なく低調。 中国中産階級には、1カラット以下のダイヤモンド需要が伸びているが、在庫があるために需要は抑制されている。 中国政府の汚職対策によって、疑いを与えるような大粒石の需要は減少。3カラット以上のダイヤモンドは、現在の価格レベルでは流動性が低いまま。 つまり、ダイヤモンド相場の流れを変える展示会にはなりませんでした。それどころか、この展示会で現在の流れが定着していることが証明されました。つまり、取引が低調でディーラーの予想通りだったということです。」 -RAPAPORT WEEKLY REPORT 6 March 2015 より-

例年までは、毎年、年末のセールでダイヤモンドの在庫が減少し、その減った在庫の補充を2~4月に行うバイヤーが多いため、3月の香港ジュエリーショーは、盛況になってきましたが、今回は、ダイヤモンドに限っては、その流れになりませんでした。 中国人のバイヤーも何でも買う時代から、より慎重に品質を価格のバランスを判断する時代になったことが分かります。 また、この先、相場が下がることを予想しているバイヤーが多いため、一旦、様子見のスタンスをとっているバイヤーが多かったことも取引が低調に終わった原因だと思われます。 そして、実際に国際的なダイヤモンド取引の指標に使われているラポポートは、2015年3月14日にほぼ全てのサイズのダイヤモンドの下落を発表しました。

日本国内においては、ドル高円安の流れが続いているため、ダイヤモンドの取引相場はそれほど下落することなく、保たれておりますが、国際的な需要(特に中国、インド)の減少により、今後の見通しとしては決して楽観視できないと思われます。

当社では「ダイヤモンド買取ガイド&サポート」を運営し、ダイヤモンド買取相場の情報公開、売却サポートに力を入れております。

お客様のダイヤモンドを少しでも高くお買取または売却サポートさせていただくためには、ダイヤモンドの相場が高い方が望ましいので、できれば、良い方向に流れが変わってくれると嬉しいのですが、現実には、しばらく厳しい市況が続きそうです。

そのような状況でも、その時の相場でベストなお買取価格の提示、売却のサポートをすることが、私たちの役割ですので、引き続き、お客様満足の追求に努めてまいります。

ダイヤモンド相場の予想は簡単ではありませんが、株などと同じように、上向きの流れなのか、下向きの流れなのか、トレンドを感じることは、ある程度は可能だと思います。現在、お持ちのダイヤモンドをご売却の際には、その時の、経済の動き、為替の動き、株や商品市況もチェックしながら、最終的には、ご自身で納得のゆくタイミングにてご売却されることをお勧めいたします。

2015年1月14日

2015年ダイヤモンドマーケットの見通し

今年のダイヤモンドマーケットの見通しは、不透明感が強くなっています。

ダイヤモンド相場の指標となるラパポートでは、2014年で1カラットのダイヤモンド相場が約8.7%下落しました。

2015年はその反動で相場上昇を期待したいところですが、現実はなかなか厳しいようで、特に中国の景気減速、 および、政府の反汚職キャンペーン等により宝飾品の需要が低下していることなどが市場に影響を与えています。

インドもここ2年くらいは成長が鈍化していて、元気があまりないようですが、2014年5月にモディ首相が当選したことで、状況はやや上向いてきているようです。

ヨーロッパでは失業率が相変わらず高く、ギリシャの債務問題など、色々な課題を多く抱えています。

日本は、アベノミクス政策の成果がまだまだこれからどうなるか微妙な状況で、まだ本格的な成長軌道には乗れていません。

一方でアメリカの景気回復は力強さを増してきていて、ダイヤモンドマーケットはアメリカ頼みという状況です。

このような状況にも関わらず、日本のテレビなどで、ダイヤモンド相場上昇!などの情報が流れることがありますが、実際にはダイヤモンドだけの相場を見ると、価格は下落しているのが現実です。

ただし、国内の取引価格は、為替の影響を強く受けますので、昨今の円安の影響を受けて、国内価格は上昇しているという状況です。

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出典元 為替レートの推移(2014年1月~2014年12月)

例えば、2014年1月のドル円の為替約105円で、2014年12月が約120円。 約15%円安になっていますので、単純に為替だけを考えると、ダイヤモンドの相場も15%上昇することになります。

しかし、実際には、ダイヤモンドの国際相場は2014年に約10%下落していると仮定すると、ダイヤモンド国内取引相場は15%-10%=約5%の上昇ということになります。

従いまして、国内のダイヤモンド取引相場は為替が円高に動くと、一気に下落するリスクが高く、テレビなどで流れる情報を鵜呑みにせず、自分なりの考えを持って、売却するタイミングなど検討されることをお勧めいたします。

お客様からより高くダイヤモンドをお買取させていただくために、相場が上昇する局面のほうを歓迎する一方で、見通しは決して楽観的な状況でもないことをしっかりと認識をしていく必要がありそうです。

2014年11月30日

カラーストーン相場動向

毎月月末になると「会」と呼ばれる宝飾品のオークションが集中するため、出張が増え、慌しい日々を送っています。

今月も、名古屋や東京、博多などのオークションに出席してまいりました。

今回の相場で印象に残ったのは、「エメラルド」と「サンゴ」の相場上昇でした。

以前から、このブログでもご紹介している通りエメラルドはとても需要が高く、高値で取引されているのですが、今回は、よりその傾向を強く感じました。

たとえば、1~2年前の相場では、綺麗なもので1ct当たり10万円程度の相場で取引されていましたので、仮に2ctのサイズだと、約20万円の相場で取引されていたものが、最近では、1ct当たり20万円を超えることが珍しくなくなってきています。2ctで約40万円。高い・・・。

当店で33万円(税込み)で販売している以下のリングがありますが、こちら1年以上前にウェブにアップしたものですので、現在の相場では、「会(オークション)」で30万円程度の相場で取引される可能性も十分に考えられそうです。

しばらく価格そのままの予定ですが、この調子が続くようであれば、いずれ価格の見直しもありえますので、綺麗なエメラルドお探しの方は、今のうちかもしれません!?

Eshop_22000000441051エメラルド1.548ct ダイヤモンド計1.68ct Pt900/K18 リング

また、サンゴも同様に、また2ヶ月ほど前から、需要が高まっています。おそらくニュースで騒がれている影響などもありそうで、こちらは、より中国景気の影響を受ける宝石ですので、今後の相場動向に注意が必要です。

この調子で中国向けの輸出が続くと、長期的には、枯渇する可能性が高い為、大きくて綺麗なサンゴをお探しの方は、今のうちに入手されることも選択肢の一つかと思います。

以上のように、日本国内では、相変わらず、中国向けの宝石の需要が高い状態が続いておりますが、中国の景気見通しも、決して楽観的な見方だけではありませんので、今後、どのような相場が形成されるのか注視が必要な動向が続いています。

以上、2014年11月カラーストーン相場動向でした。

2014年10月29日

宝飾品オークション@名古屋

毎月末に出席している宝飾品オークションのため名古屋に行ってきました。

今回のオークションの相場は、開催される直前にダイヤモンドの国際相場の指標となるRapaportの相場が下がってしまったこともあり、全体的に弱含みの展開でした。

特に、サイズが大きく、カラー、クラリティの良い石ほど、人気がありません。 例えば、D-Fカラー、IF-VVSクラリティ商品などへの需要は減少している一方で、Gカラーダウン、VSダウン(特にSI)品質の需要は好調です。

また、カラーストーン(色石)については、エメラルドが相変わらず人気が高く、色より、むしろ透明度の高い石が好まれる傾向にあります。

またサファイアも相場は安定していて、GIA基準のロイヤルブルーや、ノーヒート(非加熱)のものは、希少性が高く、高値で取引されています。

一方で本来、希少性においてサファイアよりも高いはずのルビーは、比較的、相場が低めです。おそらく、サイズ的に1~3カラットくらいまでのサイズが中心で、エメラルドやサファイアのように5~10ctクラスの石がほとんどないので、やや需要が弱いのだと思います。

そのほかの石では、中国向けの翡翠、珊瑚は一時期の勢いはないものの、高値で安定している印象で、レッドトルマリン(ルベライト)、グリーントルマリンも需要が高い状態が続いています。

そのような市況の中、今回は、ビルマ産の2ctサイズのルビーや、ロイヤルブルー系の7ctサイズのサファイア・リング、グリーンガーネットを使ったティファニーのサークレットピアスなど、いくつか希少性が高く、美しい宝飾品を買い付けることができました。 これから、鑑定書の作成や研磨等の工程と経て、いくつかの商品をウェブサイトにアップさせていただく予定ですので、楽しみにお待ちいただけますと幸いです。

C calderoni gioielli(カルデローニ)のリングケース

※リングは鑑定書作成やメンテナンスなどの準備が出来次第、後日ご紹介予定です。

2014年10月17日

金・プラチナ買取相場を更新

福岡宝石市場の金・プラチナ買取相場を更新しました。

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「金・プラチナ製品の高額買取の福岡一に挑戦」という言葉に従い、これまでの当店の買取相場より約1%高く設定させていただいております。また、全国的に見ても、トップクラスの相場となっております。

残念なことに、公開している買取相場通りに計算をせずに、「加工料金」や「精錬費用」などさまざまな名目で、手数料を差し引いて、計算するお店もございますが、

当店では、「1gあたりの買取価格」×「地金の重量」=お支払い金額(お買取金額) となります。

もちろん、計量もお客様の目の前で確認して行っております。

当たり前のことを当たり前に誠実に行うことが、信用を築くための基本だと考えており、スタッフ一同、お客様視点でのサービスを心がけております。

また、会社は売り上げから経費を差し引いた「粗利益」を栄養として運営されているので、「粗利益」を確保することはとても重要なことではありますが、それが一番の目的になってしまってはダメだと考えています。

「粗利益」=「お客様の喜びがお金に変わったもの」

という大原則を軸に、まずは、「お客様満足の追求」を目的にして、その結果、「粗利益」が生まれることが理想であり、現実だと思いますので、これからも、スタッフ全員で協力して、サービスの向上に努めていきたいと思います。

週末は、宝石オークション出席予定です。体調を整えて、ベストを尽くしたいと思います。