ジュエリー・バイヤーズ・ダイアリー

2014年3月28日

ダイヤモンド相場 上昇中

3月の第3週にラパポートのプライスリストの上方修正が発表されました。

ラパポートは、世界中のダイヤモンドブローカーが取引の指標にしている取引上の重要なリストです。

このリストのプライスをもとに、全世界のバイヤーがダイヤモンドの価格を算出します。

今回の改訂では、0.3~0.5カラットクラスと1ctアップの大粒ダイヤモンドの価格が上方修正されました。

今後1~3ヶ月は、この価格を元に国内でも活発な取引が予想されます。

ただし、ここ2~3年は、毎年5月をピークに、相場が下がりはじめ、夏から年末にかけて、あまりよくない相場が形成されることが繰り返されている為、十分に注意が必要です。

そのリスクを考えると、短期的な売り時としては、ゴールデンウィーク前までをお勧めいたします。

7~8月は、欧米のブローカーが、ほとんどお休みモードになるため、価格は下落する傾向ですので、その時期は避けるほうが良いかと思います。

大切なダイヤモンド、宝飾品を少しでも高くご売却するために、時期的な視点も取り入れてご検討されてみてはいかがでしょうか。

2014年3月15日

2014年3月香港ジュエリーショー

3月上旬に世界的に注目度の高い香港ジュエリーショーが開催されました。

今年は、実際に会場に足を運ばなかったので、現場の温度感を直に感じることはできませんでしたが、ダイヤモンド等を販売した結果や、同業者の方からの情報、ラパポートのレポート等によると、総じて、期待通りの良い結果だったようです。

以下、ラパポートレポートからの抜粋。

・GIA レポートの付属する商品の需要は全体的に堅調。
・0.30ctから0.50ct、Hカラーダウン、VS-SIクラスのダイヤモンドに根強い需要。
・大きめの石も好調。
・トリプルエクセレントカットのダイヤモンドが堅調で、品薄。
・ファンシーカラーダイヤモンドが人気。
・オーバル、クッションなどのファンシーシェイプの需要が堅調。
・中国人バイヤーは、価格に対して慎重で、価格に敏感だが、活発に動いている。

今年から、材料(ルース等)と製品で会場が分かれて、その影響で、昨年より出展者が約500社増えたことで、全ての出展者のブースに、良質なバイヤーが来ないことによるデメリットが懸念されていましたが、交通等に大きな支障はなく、比較的、人の流れもスムーズだったようです。

ただし、全ての出展者が素晴らしい成果を得られたわけではなく、やはり場所によっては、バイヤーが足を運びにくい場所などもあったようで、期待通りの結果を得られない出展者も少なくなかったようです。

日本でもトレンドは、国内販売よりも、海外での展示会での販売が主流になってきているので、海外のジュエリーショーへ、多くのサプライヤーが進出をしています。

インドや中国のバイヤーの購買力を見ていると、国内のバイヤーに比べて、大きく上回っているのが現実ですので、その流れは仕方がないのかもしれません。

だからと言って、何の戦略も持たずに、ただ海外へ進出しただけでは、短期的には、利益が生まれたとしても、長期的な成功を生むことは難しいと思います。

当社でも、フィールソーグッドらしい商品、価格、海外進出戦略を考えて、準備をしていきたいと考えております。

2014年3月 3日

Signet Jewelers と Chow Tai Fook(周大福)

先月、Signet JewelersZale Corporationを14億ドルで買収したことを発表しました。

この2社はTiffany&Co.とともにアメリカでは収入の面でトップ3の会社で、
この買収により、Signet Jewelersはアメリカ最大の宝石店の地位を確立することになります。

店舗数は、全世界合計で3,653店(アメリカに2,958店舗、イギリスに496店舗、カナダに199店舗)になります。買収により、店舗の統合、閉店は避けられませんが、Signet Jewelersは、
より効率性を高め、より強く大きな会社となると予想されています。

売上では、昨年74億ドルを売り上げたChow Tai Fookに次いで世界第2の宝石小売店になります。しかし、Chow Tai Fookの売上は、金製品、インゴット、コインなどが主ですので、ダイヤモンド宝石店としては、最大になるといわれています。

基本的には、多くのダイヤモンド業者は、この買収を歓迎しています。

より強い小売店が生まれることで、需要が増加し、ダイヤモンド取引が活性化することが期待されているためです。

一方で、Signet Jewelersは、ダイヤモンドの原石からの調達も強化しており、2013年11月には、ボツワナに工場を購入しています。

採掘会社から直接原石を調達し、できるだけ中間マージンを削減し、利益率の改善を目指しているためです。

その割合が大きくなるにつれ、ディーラーと製造業者は、結果的に、巨大宝飾店の圧力に屈してしまうことも危惧されています。

このように、宝飾業界でも、資本を持っている大手が、市場シェアを獲得し、圧倒的な資本力で、広告宣伝、出店戦略、価格戦略で、中小企業へ圧力をかけてくる流れです。

ただし、そんな環境の中でも、自社の強みを磨き、顧客からの信頼を獲得し、事業を永続的に繁栄させている素晴らしいお店もあります。

当社も、売上や規模で上を目指すのではなく、サービスの品質や、商品品質、人の面でのクオリティを高めて、知る人ぞ知る名店と言われるように、精進してまいります。

Kay RAPAPORT WEEKLY REPORT 28 Feb. 2014 より

2014年2月21日

ダイヤモンドレポートの需給バランス

0.3~0.5ctサイズのダイヤモンド取引相場が2013年に約10%上昇したことにより、世界のダイヤ業界では、1つの問題が発生しています。

それは、GIA(鑑定機関)に持ち込まれるダイヤモンドの数が増えて、鑑定書作成に大幅な遅れが生じているようです。

具体的には、通常は2~5日程度で作成されるはずの鑑定書(レポート)が、今では、40~50日程度かかってしまう状況となっているようです。

特に中国では、信頼できる第3者の保証に強い需要があり、世界的に信頼されているGIAの鑑定書に対する需要が急増してことが問題の原因となっています。

GIAの副社長で主席研究員でもあるThomas Moses氏は、対策として次のように述べています。「私たちは、急増する鑑定書需要に対応するために歴史的な雇用増加と拡大計画を承認しました。まず、すべての研究所で研究員を50%増やします。インドの研究スペースを拡大し、タイの施設を改築し、来月はニューヨーク支店を広い敷地に移転予定です。」

ただし、研究員(鑑定士)を増員したとしても、ある一定機関の訓練が必要ですので、短期的には、レポート作成の遅れという問題は解決しないと予想されています。

今のところ、日本にあるGIA東京ラボでは、海外にラボに比べて、大幅な遅れは発生していませんが、もしかしたら、ニューヨークやムンバイのラボから、鑑別業務が振り分けられて、日本でも、今までよりも時間がかかるような状況になる可能性も否定できません。

ただし、需給バランスが大幅にプラスに振れた後には、その反動で、必ずと言っていいほど、マイナスに振れる可能性が大いに考えられます。

何事も「中庸」というものを大切にする必要がありそうですね。

2014年2月 7日

インフレ下での商い

3年以上、定期的に通っているランチェスター経営戦略ジムに出席し、経営の勉強をしてきました。

今日の学びは、インフレ下での商いについて。

日本は、アベノミクスの前と後で、デフレの流れからインフレの流れへと大きな変化が起きました。

デフレでは、物価が下がり、貨幣(円)価値が上がるので、いかにモノ(在庫)を持たずに、すばやくキャッシュに変えていくかが勝負でした。

逆に、インフレ下では、物価が上がり、貨幣(円)価値が下がるので、在庫を多く持ち、できるだけゆっくりとキャッシュに変えていくのが商いの基本になるようです。

とはいっても、商品を仕入れをするのにも、キャッシュが必要なのでわけですので、在庫を多く持ちすぎて、キャッシュが不足したのでは、本末転倒ですので、大事なのはバランスとのことでした。

また、宝飾品に関わらず、全ての業界で、良いモノの価格が上がり、そうでないものの価格がより下がり、二極化がどんどん進んでいるようです。

確かに、当店でも、良いモノは多少高くても、不思議と売れていき、逆に、そうでもないものは、いくら安くても売れないで残っていくような気がしています。

良いモノをしっかりと確保して、次の世代に受け継いでいくことが、私たちの役割ですので、今後も、その志を胸に、商いを続けていきたいと思います。

2014年1月31日

宝飾品オークション

今月も、東京の御徒町などの宝飾品(ジュエリー)オークションへ出席してきました。

ジュエリー専門のプロが、それぞれ自分達の商品を持ち込んで、オークションを開催しているので、とてもハイレベルな取引が繰り広げられます。

その宝石が美しさを見極め、処理の有無、産地等について各々が鑑別を行い、最終的にいくらまで値踏みするのかを、自分なりに評価し、セリに臨みます。

その道数十年のプロ達の中で、勝負するためには、自分なりの強みを発揮する必要がありますので、この種類の宝飾品であれば、負けないという領域を作り上げていくことが大切です。

当店では、インターネットでの販売が主となりますので、まずはブランドジュエリー、特に定番ものではなく、希少性の高いものやデザインがおもしろいものに力を入れております。

そして、品質の高いカラーストーン。特にスリランカやミャンマー産の無処理(非加熱)のルビーやサファイア、ブラジル産のアレキサンドライト、パライバトルマリン等に注力しております。

最後に、ダイヤモンド。その中でも、ブルーやピンク、イエローのカラーダイヤモンドの取り扱いを増やしていきたいと考えております。

今回もいくつか欲しい商品があり、そのうち、数点は仕入れることができましたが、予想以上に価格が高く、手の届かなかった宝飾品もありました。

パレット状にプレイオブカラーが現れる3ctアップのブラックオパールリングも、残念ながら、仕入れることができませんでした。売り主の最低希望価格は120万円以上・・・良いモノは相場云々ではなく、高い!それは、希少性が高いから当たり前なのでしょう。またしっかりと勉強して今後に活かしていきたいと思います。

Bop38

2014年1月19日

アレキサンドライト・キャッツアイ

基本的に宝石の価値は、その美しさと希少性で決まります。

宝石の王様と呼ばれる「アレキサンドライト」ですが、その中でも、キャッツアイ効果が見られる石があり「アレキサンドライト・キャッツアイ」と呼ばれています。

鮮明な変色性、インクルージョンの少なさ、キャッツアイの線の出方など全ての要素を満たすようなアレキサンドライト・キャッツアイは、希少性が高く、高値で取引されています。

たとえば、昨年10月に開催されたサザビーズオークションに出品された「アレキサンドライト・キャッツアイ4.08ct K18 リング」の落札価格は約700万円です。

Hk04781819_002webSotheby's オークション 07 OCTOBER 2013より

画像を見ると、まず、色の変化が鮮明で、透明度が極めて高く、キャッツアイがしっかりと出ているのが分かります。サイズも4ctアップで、程よいサイズ感であることも印象が良いです。

このクラスになると、流通量が極めて少ないため、サザビーズやクリスティーズのような世界的なコレクター向けオークションでないと、なかなか見ることができません。

当店にも、上記のアレキサンドライト・キャッツアイには及びませんが、日本が世界に誇る宝飾メーカー「ミキモト」のアレキサンドライト・キャッツアイ・リングが入荷しました。

ミキモト アレキサンドライト・キャッツアイ4.07ct ダイヤモンド計0.58ct プラチナ リング

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品質とサイズを兼ね備えた希少な逸品です。

今後も、良いモノをご紹介し、次の世代へ受け継いでいけるように尽力してまいります。

2014年1月11日

2014年ダイヤモンド相場見通し

2014年、ダイヤモンド業界では警戒感より楽観主義の方が勝っています。

中国では、2020年までに中国経済を政府コントロールから、市場経済主義に変革しようとしています。
この移行期間において、経済の停滞は避けられないと予想されていますが、世界第2位の経済大国である中国が、市場経済主義を推し進めれば、警戒感を抱えながらも、ダイヤモンド産業は成長が見込まれています。

たとえば、中国経済は徐々に成熟ステージに入ってくると予想されますが、このことは、投機的な買いで、非合理な相場が形成されることのリスクを下げ、本当の需要にあった合理的で確実な売買が行われるようになる点で、喜ばしいことです。

また、人口が14億人に近づき、若年層が増えることで、ブライダル関係のダイヤモンド需要が伸びることが予想されます。

一方で市場が成熟するにつれ、嗜好も変化してきています。
全体的な流れとしては、低品質のダイヤモンドの需要が伸びてきていて、特にSIクラスのクラリティのダイヤモンドの人気が高くなってきています。
2013年0.3~0.4ctのSIクラスのダイヤモンド価格の上昇は、中国人の需要に支えられた結果です。

中国の宝飾品業者は、ダイヤモンドの需要を利用して成長を確保したいと考えているようです。
金(ゴールド)の販売よりも、ダイヤモンドのほうが利益率が良いためです。

中国経済の今後については、数多くの不安要素があり、なかなか予想が難しいですが、本当の意味で市場経済主義を目指し、実現させることができれば、ダイヤモンド業界にとっては、歓迎すべきことでしょう。

China RAPAPORT WEEKLY REPORT 10 Junuary 2014 より

2014年1月 3日

2014年迎春

新年明けましておめでとうございます。

本年も、より良いサービスの実現、商品品質の向上、お客様満足度の追及に努めてまいりますので、変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

今年は、まずは、自社ECサイトに、会員様向けのポイント制度等を導入予定です。

中古ジュエリー通販 | ユーズドセレクトショップ【福岡宝石市場】

また、「よいものを次の世代に受け継ぐ」というコンセプトを軸に、自然環境や、希少動物保護の活動に微力ながら、貢献できるような取り組みをしていきたいと考えております。

そのほかにも、ご縁をいただいたお客様に少しでも喜んでいただけるようなサービスや特典を充実させていく予定ですので、ご期待ください。

20140103鹿児島にある実家近くの飯牟礼小学校前で撮影

2013年12月31日

2013年大晦日

2013年は、相場の変動が大きな1年になりました。

日経平均が57%上昇、円が対ドルで18%下落(円安)、金の国際価格は28%下落など。

また、カラーストーンの相場が約30%上昇、ダイヤモンドの1ct未満が約10%上昇、1ct以上が約5%下落など、宝飾品の相場も変動が大きな年でした。

リーマンショック以降、日本国内においては、基本的には円高、デフレの流れで、厳しい環境の中での舵取りが求められましたが、今年に入り、急に風向きが変わり、円安、インフレの流れとなりました。

180度違う状況での舵取りは、また全く違うものとなり、なかなか判断の難しい局面が多くありましたが、そのような環境下でも、大きな間違いを起こすことなく、しっかりと地に足をつけて、成長することができたのは、日々、お客様満足の向上を考え、尽力してくれるスタッフのおかげで、とても感謝しています。

また、取引先・関係者の皆様のご協力のおかげでもあります。ありがとうございます。

様々な方の力を貸していただき、サービス品質の向上に努めた結果、多くの良いお客様とのご縁をいただき、本当に実りの多い一年となりました。

一方でまた来年以降へ持越しとなった課題もありますので、反省すべきはしっかりと反省して、より良い品質の実現を目指してスタッフ一同、尽力してまいります。

それでは、皆様、良いお年をお迎えください。ありがとうございます。