0.3~0.5ctサイズのダイヤモンド取引相場が2013年に約10%上昇したことにより、世界のダイヤ業界では、1つの問題が発生しています。
それは、GIA(鑑定機関)に持ち込まれるダイヤモンドの数が増えて、鑑定書作成に大幅な遅れが生じているようです。
具体的には、通常は2~5日程度で作成されるはずの鑑定書(レポート)が、今では、40~50日程度かかってしまう状況となっているようです。
特に中国では、信頼できる第3者の保証に強い需要があり、世界的に信頼されているGIAの鑑定書に対する需要が急増してことが問題の原因となっています。
GIAの副社長で主席研究員でもあるThomas Moses氏は、対策として次のように述べています。「私たちは、急増する鑑定書需要に対応するために歴史的な雇用増加と拡大計画を承認しました。まず、すべての研究所で研究員を50%増やします。インドの研究スペースを拡大し、タイの施設を改築し、来月はニューヨーク支店を広い敷地に移転予定です。」
ただし、研究員(鑑定士)を増員したとしても、ある一定機関の訓練が必要ですので、短期的には、レポート作成の遅れという問題は解決しないと予想されています。
今のところ、日本にあるGIA東京ラボでは、海外にラボに比べて、大幅な遅れは発生していませんが、もしかしたら、ニューヨークやムンバイのラボから、鑑別業務が振り分けられて、日本でも、今までよりも時間がかかるような状況になる可能性も否定できません。
ただし、需給バランスが大幅にプラスに振れた後には、その反動で、必ずと言っていいほど、マイナスに振れる可能性が大いに考えられます。
何事も「中庸」というものを大切にする必要がありそうですね。
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