先月、Signet JewelersがZale Corporationを14億ドルで買収したことを発表しました。
この2社はTiffany&Co.とともにアメリカでは収入の面でトップ3の会社で、
この買収により、Signet Jewelersはアメリカ最大の宝石店の地位を確立することになります。
店舗数は、全世界合計で3,653店(アメリカに2,958店舗、イギリスに496店舗、カナダに199店舗)になります。買収により、店舗の統合、閉店は避けられませんが、Signet Jewelersは、
より効率性を高め、より強く大きな会社となると予想されています。
売上では、昨年74億ドルを売り上げたChow Tai Fookに次いで世界第2の宝石小売店になります。しかし、Chow Tai Fookの売上は、金製品、インゴット、コインなどが主ですので、ダイヤモンド宝石店としては、最大になるといわれています。
基本的には、多くのダイヤモンド業者は、この買収を歓迎しています。
より強い小売店が生まれることで、需要が増加し、ダイヤモンド取引が活性化することが期待されているためです。
一方で、Signet Jewelersは、ダイヤモンドの原石からの調達も強化しており、2013年11月には、ボツワナに工場を購入しています。
採掘会社から直接原石を調達し、できるだけ中間マージンを削減し、利益率の改善を目指しているためです。
その割合が大きくなるにつれ、ディーラーと製造業者は、結果的に、巨大宝飾店の圧力に屈してしまうことも危惧されています。
このように、宝飾業界でも、資本を持っている大手が、市場シェアを獲得し、圧倒的な資本力で、広告宣伝、出店戦略、価格戦略で、中小企業へ圧力をかけてくる流れです。
ただし、そんな環境の中でも、自社の強みを磨き、顧客からの信頼を獲得し、事業を永続的に繁栄させている素晴らしいお店もあります。
当社も、売上や規模で上を目指すのではなく、サービスの品質や、商品品質、人の面でのクオリティを高めて、知る人ぞ知る名店と言われるように、精進してまいります。
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