今年のダイヤモンドマーケットの見通しは、不透明感が強くなっています。
ダイヤモンド相場の指標となるラパポートでは、2014年で1カラットのダイヤモンド相場が約8.7%下落しました。
2015年はその反動で相場上昇を期待したいところですが、現実はなかなか厳しいようで、特に中国の景気減速、 および、政府の反汚職キャンペーン等により宝飾品の需要が低下していることなどが市場に影響を与えています。
インドもここ2年くらいは成長が鈍化していて、元気があまりないようですが、2014年5月にモディ首相が当選したことで、状況はやや上向いてきているようです。
ヨーロッパでは失業率が相変わらず高く、ギリシャの債務問題など、色々な課題を多く抱えています。
日本は、アベノミクス政策の成果がまだまだこれからどうなるか微妙な状況で、まだ本格的な成長軌道には乗れていません。
一方でアメリカの景気回復は力強さを増してきていて、ダイヤモンドマーケットはアメリカ頼みという状況です。
このような状況にも関わらず、日本のテレビなどで、ダイヤモンド相場上昇!などの情報が流れることがありますが、実際にはダイヤモンドだけの相場を見ると、価格は下落しているのが現実です。
ただし、国内の取引価格は、為替の影響を強く受けますので、昨今の円安の影響を受けて、国内価格は上昇しているという状況です。
出典元 為替レートの推移(2014年1月~2014年12月)
例えば、2014年1月のドル円の為替約105円で、2014年12月が約120円。 約15%円安になっていますので、単純に為替だけを考えると、ダイヤモンドの相場も15%上昇することになります。
しかし、実際には、ダイヤモンドの国際相場は2014年に約10%下落していると仮定すると、ダイヤモンド国内取引相場は15%-10%=約5%の上昇ということになります。
従いまして、国内のダイヤモンド取引相場は為替が円高に動くと、一気に下落するリスクが高く、テレビなどで流れる情報を鵜呑みにせず、自分なりの考えを持って、売却するタイミングなど検討されることをお勧めいたします。
お客様からより高くダイヤモンドをお買取させていただくために、相場が上昇する局面のほうを歓迎する一方で、見通しは決して楽観的な状況でもないことをしっかりと認識をしていく必要がありそうです。