ジュエリー・バイヤーズ・ダイアリー

相場情報

2013年4月17日

金相場の急落→反動→そして・・・

先週末から、今週火曜日にかけて、金相場が2割近く下落するという前代未聞の相場変動がありました。

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原因は、キプロスが財政立て直しのために、保有している金を売却するという情報や、中国の成長率が予想に及ばなかったこと、為替が円高に動いたこと、ボストンマラソンでのテロなど、色々な要因が複雑に絡み合って、今回の下げにつながったようです。

金は安全資産という考えは、もはや過去のものになってしまったかのような変動でした。

これからの動きについては、今月20日に開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議で、日本の金融緩和政策(=円安、インフレ政策)が容認されるか否かにかかっているようです。

ここで、円安の流れが途切れないようであれば、国内の金取引相場は、近日中に下落前の相場に戻ってくることが予想されます。

逆に、円高の流れに振れるようであれば、このままずるずると下げ相場になっていきそうです。

これらの金相場に影響を与える要素については、もはや一個人、一企業の力ではどうしようもないことなので、あまり相場の変動に一喜一憂せずに、中庸の心で臨みたいものです。

2013年3月31日

翡翠バブル?

翡翠の価格高騰が止まりません。

中国での非常に高い需要があることが大きな原因のようです。

ロウカンと呼ばれる独特のテリを持ち、色の良く、サイズがある程度大きなもの(最低3ct以上)になると、びっくりするくらいの価格で取引されています。

中国では、ルビーやエメラルドの人気も高いと聞きますが、中でも、翡翠だけは別格のようです。

この商品は、先日の宝飾品オークションに出品されていた商品です。

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10ctクラスのサイズで、色は画像よりもっと淡い色合いでしたが、100万円を楽に越える価格で売買成立しました。

この相場が一時的なバブル相場なのか、ずっと継続するのかは、中国の動向次第なので、今買いどきなのか否かは判断が難しいです。

ただ、良いものがどんどん国外に移動しているのは事実なので、もし現在、手元に保有しているよい宝飾品があるのであれば、売り急がずに、次の世代に受け継いでいくことも検討されることをお勧めいたします。

2013年1月24日

パライバトルマリンの産地

最近、特に入手が困難になった宝石の1つにブラジル産のパライバトルマリンがあります。

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当店でも、もっと入荷を増やしたい宝石ですが、良質なブラジル産のパライバとなると、本当に数が少ないです。

その一方で、アフリカ(モザンビーク)産のパライバトルマリンは、比較的、サイズの大きなものが産出されており、ジュエリー展示会、還流市場でも、けっこう見かけます。

でも、やはりパライバといえば、独特のネオンカラーの色合い、雰囲気がないと、物足りと感じてしまい、当店では、アフリカ産は、あまり積極的に扱っていません。

もともとは、1つの大陸であったはずのアフリカ大陸と南米大陸。

それぞれで産出されるパライバトルマリンの間に、色合いや、透明度、テリなどで違いが出るのは、とても不思議に感じます。

含有されている成分の分析結果を見ると、ブラジル産のパライバは、「銅」が1.5%以上含有されているのに対し、アフリカ産のものは、0.5%未満であることが多いです。

一方、「マンガン」の含有率は、ブラジル産もアフリカ産も2%程度であまり違いがないことが多いです。

「マンガン」の含有率が高くなればなるほど、グリーンの色合いが強くなる傾向があります。

年々、入手が困難になっているブラジル産のパライバ・トルマリン。

すでに相場が高くなってしまっていますが、今のうちに手に入れておかないと、幻の宝石になる可能性がとても高い石の1つです。

2012年12月20日

過去最大級のダイヤモンド

今年は、おかげさまで、大きなダイヤモンドのご売却の相談をいただくことも多い一年でした。

その中でも、もっとも大きなダイヤモンドは・・・10ctオーバー(しかもVSクラス)の指輪でした。

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お持込いただいたときには、キャンディーかと思いましたが、よく見たら、正真正銘のダイヤモンド・・・。

慎重に取り扱わせていただき、無事に決済できましたが、なかなかに勇気と経験の必要なお取引でしたので、それを経験できたことで、また1つ成長できたのではと感じています。

今後は、もっと大きなダイヤモンドや、希少なダイヤモンドを取り扱わせていただく機会もあるかと思いますので、しっかりと、ダイヤを見る目と相場観、経済力、買う度胸をつけていきたいと思っています。

2012年12月14日

今年最後の市場@下関

今年最後の市場の下見をするために、下関へ出張してきました。

毎回、すごい量の商品の出品があり、全ての商品を見るためには、最低3日は必要です。

当社は、自社で売りたい、取り扱い商材だけに絞って下見をしますので、全ての商材を見るバイヤーの方に比べると、ずいぶん、早く下見できますが、それでも、2日半は、集中して見ないと終わらないので、けっこう大変です。

一方で、たくさんのモノの中から、自分の感性を信じて、良いモノを見つけ出す作業は、なかなか大変ですが、けっこう楽しいものです。

それが、実際に仕入れることができれば、満足なのですが、なかなかライバルも多く、そうカンタンにはいかないもので、毎回、悔しい思いの繰り返しです。

その悔しさを、悔しさだけに終わらせずに、対策を考えて、次に活かしていけるかどうかが、一流バイヤーへの道だと思いますので、継続して、取り組んでいきたいと思います。

夜は、毎回、下関出張の際には、寄らせていただいている、本格インドカレー屋さん「ナンダン」へ。

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気さくなインド人達が、経営しているお店で、本格インドカレーを日本人向けにアレンジした美味しい料理がいただけます。

2012年12月10日

ダイヤモンドオークション@御徒町

土曜日に、ダイヤモンドの取引会(オークション)への出席のため、東京へ出張してきました。

相場のトレンドは、相変わらず、全体的には弱含みで、特に、VVSクラスの綺麗なダイヤモンドの相場が下落傾向です。

逆に、I1クラスやSIクラスのダイヤモンドの人気は高く、全体的に、綺麗なものと、そうでないものの価格差が、どんどん縮まっていっている様子です。

海外での需要は、ダイヤモンドの詳細なグレードに捉われず、見た目が綺麗であれば、SIクラスでもIクラスでも、人気が高いのが背景にあるようです。

当社にとっては、年内最後のダイヤモンド専門のオークションでしたが、まあまあの価格で出品商品も売れたので、ほっと一安心です。

帰りには、銀座に立ち寄って、師走の銀座の様子を視察してきました。

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ダンヒル3階のダンヒルカフェからの眺めです。

ティファニーやブルガリ、ミキモトなど、宝飾店も、それなりにお客さんが入っていて、賑やかな感じでした。

福岡に戻り、最新のダイヤモンド相場を、査定に生かしていきたいと思います。

2012年12月 5日

天然?合成?エメラルド

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とても綺麗なエメラルドグリーンの色合いが美しいペンダントの鑑別書です。

鑑別結果「天然エメラルド」と表記されています。

しかし、この商品を中央宝石研究所へ鑑別依頼してみると・・・

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恐ろしいですね~、鑑別書が付属するからと言って、100%大丈夫というわけではなく、大切なのは、どの鑑別機関が発行した鑑別書なのか?が重要です。

その判断基準としては、宝石鑑別団体協議会(通称A.G.L)のメンバーであれば、一定以上の信頼はおけると思います。

http://www.agl.jp/publics/index/9/

AGL加盟機関の中でも、ダイヤモンドのグレーディングが甘い機関があったり、色石の鑑別機材が不足していて、高度な検査をすることのできない機関がありますが、少なくとも「合成」を「天然」で鑑別書を発行したりすることはないと思います。

一般の方が、宝飾品を買われる際には、できれば、商品に付属している鑑別書、鑑定書を発行している機関が、どのくらい信用できる会社なのかを、インターネット等で、調べていただくのが確実ですが、なかなか判断が難しい場合もあるかと思います。

その場合には、信用できる販売店、販売スタッフから、商品を購入することが大切ですね。

当店も、確実な情報公開と、誠実な商品説明を心掛け、お客様に安心して、お買い求めいただけるように、これからも、努力してまいります。

2012年11月26日

名古屋出張 終わり

週末の名古屋出張を終え、福岡に戻ってきました。

コメ兵さんが主催しているオークションへの参加が目的で、仕入れと販売と任務を遂行してきました。
とはいえ、戻ってきても、今月末はオークション続きで、休む暇はありませんが、よいものを1つでも多く、仕入れることができるように、ベストを尽くしたいと思います。
貴金属の相場は、とても高いですね。
円安も重なって、国内の取引相場は、金は過去最高に近い相場となっています。
一方で、いつか訪れる反動が少し恐いです・・・。
おそらく総選挙が終わった後に相場がある程度、動きそうな気配です。

2012年11月19日

東京出張2012年11月:3日目

3日目は、東京に出店している一流の”ジュエラー”のお店の雰囲気を肌で感じてきました。

まずは、キング・オブ・ダイヤモンドと呼ばれる「グラフ」のお店へ。

最近、伊勢丹新宿店に国内2号店を出店し、「Star of America」という名前の世界最大のアッシャーカットのDカラーフローレス、100.57カラットのダイヤモンドを展示したことで話題になったジュエラーです。

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その1号店であるペニンシュラ東京ホテル1階のお店に行ってきました。

さすがに、ダイヤモンドを最も得意とするブランドだけあって、ダイヤモンドの輝きは、ハリーウィンストンと同等クラスだと感じました。

お値段は決して安くはありませんが、ハリーウィンストンやギメルと比べると、2~3割くらい低めの設定になっているようです。

お店の方のお話では、自社で原石から研磨まで全て行っているので、コストダウンが可能で、その分、売価設定が他社より低めにできるとのこと。

ブランドの名前に甘えずに、自社なりの、適正価格を追求する姿勢は、さすが世界のトップジュエラーです。かっこいいです。

次は、イタリア、カプリ島に本店を構える「シャンテクレール」へ。

とにかく、このブランドは、デザインが素敵ですね。

素材の良さと、デザインの良さ、遊び心、色合い、雰囲気など、全てがトップクラスで、見ていて楽しいジュエリーを販売しています。

お値段は、決して安くはありませんが、他と同じようなデザインがほとんどないので、個人的には、最も好きなブランドの1つです。

店員さんも、フランクな感じで、とても良くしていただいたので、シルバー製でエナメル装飾が施された、ベルチャームを1点、購入させていただきました。

その他にも、色々とお店をまわり、東京の雰囲気を肌で感じて帰ってきました。

相変わらず、人が多くて、とても疲れましたが、たまには、仕事やプライベートで東京に行くのも、いいものですね。

2012年11月16日

東京出張2012年11月:1日目

金曜日から東京に滞在しています。

ダイヤモンド専門のオークションへの出席と、GIAパールグレーディング実習受講が目的です。
一日目は御徒町にて、いつもお世話になっているダイヤモンドの取引オークションに出席。
全体的な相場としては、相変わらずの弱含みで、いつもは買い手に回るインド人バイヤーが、どちらかと言えば、在庫を売りたがっている様子で、そのために、全体の相場もあまり伸びが感じられませんでした。
そのような状況の中でも、ピケ石と呼ばれる、クラリティ「I1」クラスの石は比較的人気で、特にSI2に近いようなI1クラスのダイヤは、とても高い相場にて取引されています。
逆に、VVSクラスの綺麗なダイヤモンドが安い・・・。
こんな時にこそ、相場の弱い綺麗な石を仕入れて、相場の良い「I1」クラスの石を売りにだせばいいのですが、しばらくこのトレンドは続きそうで、そうカンタンにはいかないようです。
今回の出張で仕入れた相場感覚を、お店の運営業務に生かしていきたいと思います。