ジュエリー・バイヤーズ・ダイアリー

相場情報

2013年9月18日

香港ジュエリーショー

国際的なジュエリーショー「香港ジュエリー&ジェムフェアー」が9月13~17日の日程で開催されました。

Hk RAPAPORT WEEKLY REPORT 13 September 2013 より

今回の注目は、ルピー安に苦しむインドのサプライヤーと、景気の先行き不透明感の強くなってきている中国のバイヤーの間で、どれくらいの商いが成立するかが焦点になっています。

ダイヤモンドの人気のトレンドとしては、比較的、実需の高いクラリティSI~Iクラスの商品は人気で、IF~VVSクラスの商品は不人気になっています。

このままの流れで行くと、年内には、ダイヤモンド取引相場の指標として使われているラパポートプライスリストの数字も、上記の流れを反映した形で、改定される可能性が高くなっています。

綺麗な石の価格が下がり、キズ・インクルージョンの入っている石の価格が上がるのは、不思議な気がしますが、モノの価格は、需要と供給のバランス次第なので、今の流行から行くと、しょうがないのかもしれません。

また、サイズ的には、1ct未満のサイズについては、値上がり傾向で、逆に1ctアップの大粒のサイズは、今年の6月以降、値下がり傾向になっています。

全体的には、様子見のバイヤーがいる一方で、年末商戦に向けて、在庫を確保しようと動き出すバイヤーもいるので、相場は比較的安定してきているようです。

今後も、市場の動きを注視しながら、また一方でそれにとらわれすぎないように、中庸の心を大事に商いを続けてまいります。

2013年9月11日

ルピー下落(安)

・インド通貨「ルピー」が対ドルで年初来より17%程度下落(ルピー安)した影響で、インド国内のダイヤモンド製造(研磨)業者が、自社工場での研磨をストップ(閉鎖)して、研磨済みのダイヤモンドを取り扱うようになってきている。

→新しく研磨されるメレダイヤモンドが減少することで、現在、流通しているメレダイヤモンドへの需要が大きくなってくることは予想される。

・中小規模のインド国内メーカーはルピー安で苦境にある一方、ドルベースでの取引ができるインド大手メーカーは、さらに競争性が優位になってきている。

・インド政府が、国内産業保護の目的で、研磨済みダイヤモンドの輸入に課税(2%)したり、金の輸入に課税(10%)したりしている。

→金の主要消費国であるインドの需要が減少することで、金価格の下落のリスクがアップ。

・インドのバイヤーが、ダイヤモンド流通性の向上のために、ダイヤモンドの取引価格を意図的に下げようとするのではないかと、各国バイヤーが危惧している。

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RAPAPORT WEEKLY REPORT 30 August 2013 より

2013年8月22日

カラーストーン相場

先日のオークションに取引された商材の一部をご紹介。

・テリの良いヒスイ ダイヤモンド プラチナリング→落札価格約200万円

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・大粒の上質サンゴ リング→落札価格約120万円

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相場が落ち着くかと思われていた中国筋の赤色や緑色の宝石(翡翠、赤サンゴ、エメラルド等)ですが、まだまだ強気な相場で取引されています。

それにつられて、非加熱のルビーやサファイアも、相場が上昇し続けていて、良質なカラーストーンがますます入手困難になってきています。

いつまでこの状況が続くのか分かりませんが、今の状況は、やや異常な相場なのでは感じています。

いずれにせよ、良いものは時代を超えて、価値あるものとして流通しますので、大切に次の世代に引き継いでいくことを心がけていきたいと思います。

2013年7月29日

カラーストーン相場

先日のオークションに出品された商材の一部をご紹介。

・色のしっかり入ったヒスイ ダイヤモンド プラチナリング→落札価格約160万円

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・スリランカ産の非加熱ブルーサファイア ダイヤモンド プラチナ リング→落札価格約130万円

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全体的には、春に比べると、やや落ち着き気味の相場でした。

背景には、春先から始まった中国共産党の贅沢禁止令が影響しているのかもしれません。

今後も、中国経済の先行きは不透明感が強いので、カラーストーン、宝飾品の相場の動向にも注意が必要な状況です。

それでも、品質の良いものは、どんどん減少していますので、良いものがあれば、多少、値段が高くても、買っておくのも、間違いではない選択だと思います。

当店でも、できるだけ良いものを仕入れて、ご紹介できるように、引き続き尽力してまいります。

2013年7月25日

名古屋へ

宝飾品オークション出席のため、名古屋滞在中です。

2日間の商品下見を終え、本日がオークション本番の日でした。

ダイヤモンドの相場の基準となるラパポートの相場が先週、引き下げられたことや、ルピー(インド)安で、インド人バイヤーの調子が今一つなこと、中国の景気の先行き不透明感などの、不安材料がある中でのオークションでしたが、いざ始まってみると、相変わらずの盛況ぶりで、全体的に相場はしっかりでした。

また落ち着いたら、いくつかの商品の相場をご紹介したいと思っています。

明日も、東京でダイヤモンド専門のオークションがあるため、ひとまず、しっかり休んで、体調を崩さないように注意したいと思います。

2013年7月 5日

シンガポールへ

シンガポールに滞在しています。

マリーナベイサンズのコンベンションセンターで開催されているシンガポールジュエリーショー。

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オープニングイベントでかっこいいモデルのファッションショーがあり、デザイナーのゴージャスなジュエリーがお披露目されていました。

会場には、日本から出展している企業は、少数で、ほとんどがインド、スリランカ、中国、欧米のサプライヤーのブースでした。

いくつかのブースで、品質の良い宝石を探し出し、商談を試みましたが、なかなか折り合わず、海外のジュエリーショーでの商談のむずかしさを痛感しました。

一方で、収穫もありましたので、また日本に戻り、今後の商いに活かしていこうと思っています。

夜は、ホテルの名物の光のナイトショーを対岸から鑑賞。

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美しい光のショーに感動すると同時に

日本の節電ブームとは180度異なる、消費意欲、成長意欲に圧倒されました。

2013年6月20日

貴金属相場 軟調

5月から貴金属(金・プラチナ等)相場がズルズルと下げ始め、気付けば、1ヶ月で約10%の下落となりました。

また、日本国内の相場は1割の下げに留まっていますが、海外の貴金属相場は、約20%下落しています。

http://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/m-gold.php

青線:ロンドン金価格、赤線:国内価格

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日本では、円安の影響で、価格の下落が和らいでいますが、これが、円高の方向に進もうものなら、たちまちさらに1割くらい下げてしまいそうです。

ここ2~3年は、毎年年明けから春にかけて、相場が高騰し、夏口から下げ始めるパターンの繰り返しなので、今年は、さすがに、そんなこともないでしょと思っていたのですが、何となく、そんな流れになってきました。

こんな不安定な状況では、今は下げてるけど、長期的には上がるでしょう!と楽観的な意見もカンタンには言えなくなってきています。

まあ、相場はそのときの状況次第で、動くのが当たり前なので、上下に一喜一憂せずに、しっかりと日々、歩んでまいりたいと考えています。

2013年6月12日

買い付け出張@下関

商品の買い付けのため、下関で開催される業者専門オークションへ。

5000点を超える出品商材の中から、福岡宝石市場で取扱いたい商品を探して、値段を入れる下見作業を本日と明日の2日間にかけて行っています。

年々、オークションにかけられる商品の内容、品質は、厳しくなっていく傾向にあります。

原因は、インドや中国のバイヤーの力が強く、すごい勢いで良品が海外に流出している現状があります。

こればかりは、時代の流れで仕方のないことですが、国内中心に商売を営んでいる当社としては、1つでも多くの良品を、入手困難になる前に、入手できるように力を尽くしています。

特に、1970~80年代の高度経済成長期に、海外から入ってきた良質な色石(カラーストーン)を仕入れて、デザイン・枠をリモデルして、再び、販売する力を磨いていき、見る目のあるお客様にご提供していきたいと考えています。

今年の夏ぐらいから、そのようなイメージで制作(リモデル)した宝飾品を、試験的に、少しづつリリースしてまいりますので、楽しみにお待ちいただけますと幸いです。

2013年5月29日

カラーストーン相場高騰中

円安の影響で、地金やダイヤモンドの価格上昇が続いていますが、それ以上にカラーストーンの相場の上昇がすごいことになっています。

特に、中国で需要の高い、ヒスイ、サンゴ、そして、ルビーやエメラルドのサイズが大きくて、品質の良いものは、ここ2~3年で2倍から3倍くらいになった印象です。

先日の名古屋での業者専門オークションでも、その流れに乗って、上記のカラーストーンはとても高い相場で取引されていました。

あとインドのバイヤーには、サファイアやスターサファイアも人気です。

・鮮やかなブルーカラーと、透明感が高い上質スターサファイア ダイヤモンド プラチナリング→落札価格約120万円

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国内の良質な宝飾品の数が減少していくことは、時代の流れで仕方のないことですが、どんな環境、相場になっても、商いを続けることができるような、仕組みを考え、作っていく重要性を日々感じています。

誰もやっていいないようなことにチャレンジしたいものです。

2013年4月26日

名古屋→東京出張

毎月開催されるオークションに出席するため、名古屋、東京に行ってきました。

円安の影響で、貴金属、ダイヤモンドの値上がりが顕著に見られる最近の相場状況ですが、それ以上に、綺麗で大粒の色石(カラーストーン)の相場も、上昇が続いています。

特に、中国で人気の高い宝石「ヒスイ」や「サンゴ」の相場が3年ほど前からすると、150~200%くらい高くなっている印象です。

今回のオークションに出品されていた商品で特に気になった商品を少し紹介。

1.ヒスイ(石目なし)ダイヤモンド プラチナリング→落札価格約300万円

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2.深みのあるブルーカラーと、抜群の透明感が美しいスターサファイア ダイヤモンド プラチナリング→落札価格約100万円

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サイズに関わらず、特に品質の高い、美しい石については、鉱山も、産出量が激減していることもあり、中古の宝飾品にセットされている石への需要が年々高まっているようです。

また、色石は、ルース(裸石)の状態では、加工の手間や工賃を考えると、業者間取引においても、敬遠されることも多いのですが、その中でも、希少性の高いものや、品質の高いものは、製品の状態と同じように評価されて、取引されます。

当店でも、今後は、ルース(裸石)の状態でも、適正査定ができるように、宝飾品を創る力を身につけ、磨きをかけていきたいと思います。

今回の出張では、なかなか思い通りの仕入れができず、反省すべき点も多いものとなりましたが、これを次回以降の仕入れの糧にしていきたいと思います。

また同時に、どこのオークションでも、資金力、経験などの面で、圧倒的な強者が存在しますので、その方々と正面から戦わずに、自社の強みに特化して、できるだけ戦わずに勝つ方法も考えていこうと思います。

まだまだ学ぶべきことが多くあります。