ジュエリー・バイヤーズ・ダイアリー

2014年4月30日

処理されていない宝石の魅力

先日の出張で不覚にも体調を崩し、ここ2~3日寝込んでしまいました。

その影響で、スタッフをはじめ、取引先や、お客様にもご迷惑をおかけしてしまいましたので、今後は、より一層、体調管理に気をつけて、常に良い状態でいられるように努めていきたいと思います。

さて、今日は、処理されていない宝石の魅力についてブログ更新してみたいと思います。

あまり歓迎すべきことではありませんが、ほとんどの宝石は、原石からカットされた状態では、美しさが足りないため、何からの人的なエンハンスメント、トリートメントが施されます。

ルビーやサファイアは一般的に加熱処理されていますし、エメラルド透明度を改善するために、オイルまたは樹脂が含浸されています。

これらの処理は、一般的に普及している処理として、宝石の価値に影響しない処理として扱われており、実際に、加熱処理されていても、大きくて、美しい石は、高値で取引されています。

一方で、ほとんどが加熱処理されるルビー、サファイアの中でも、わずかではありますが、処理しなくても、美しい石が算出されることがあり、それらの石は無処理(非加熱)の宝石として、その希少性からより高値で取引されています。

同様に、エメラルドでも、オイルや樹脂の含浸処理されていない無処理の石があります。(こちらは、ルビーやサファイアよりもより希少性が高い。)

もちろん、無処理だからといって、美しさに欠ける、魅力のない石は、価値が低いのですが、仮に同じ品質、サイズで、処理されているものと、されていないものでは、その価値には、2-5倍の開きがあります。

先日、福岡三越のグラフに展示してあった3ct台の無処理エメラルドの販売価格は、7,000万円台でした。もちろん、グラフというブランドの価値が加味されての価格ですが、それだけでも、無処理の美しいエメラルドがどれだけ希少性が高いかがイメージしていただけると思います。

当店でも、処理されていない宝石をできるだけご紹介できるように仕入れに力を入れておりますが、数が少ない上に、良いものはとても人気があるので、価格も高く、なかなか思うように仕入れることができないのが現実です。

そんな中でも、先日、とあるオークションにて、非常にレアな宝石を仕入れることができましたので、ご紹介させていただきます。

それは、レッドベリル(通称ビクスバイト)と呼ばれる、赤色のエメラルドの無処理(ノーオイル)石です。

R3 
0.20ctとサイズはとても小さいサイズではありますが、レッドベリル自体がレアストーンである上に、さらに無処理となると、日本国内に存在するかしないか、世界中を探しても、わずかしか存在しないと予想されます。

いずれ、当店でジュエリーに仕立てて、大事に次の世代へ引き継いでいただけるであろうお客様へご紹介させていただきたいと思っています。

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