ジュエリー・バイヤーズ・ダイアリー

2013年10月

2013年10月27日

カラーダイヤモンドブーム?バブル?

無色のダイヤモンド相場が軟調な動きを見せる中、カラーダイヤモンドの相場が10年間、上昇し続けています。

特にこの1~2年で、ピンクダイヤモンドの相場が約30%、ビビットイエローダイヤモンドの相場が35%、低品質のイエローダイヤモンドが約10%、ファンシーブルーダイヤモンドの相場が約35%上昇しました。

理由としては、カラーダイヤを好む中東やアジアの投資家の需要が高まったこと、それに伴い、カラーダイヤを扱うバイヤー、サプライヤーが増加したことが大きな要因です。

一方で、投資家の関心がさめてしまった場合に起こる急激な相場の下落=バブル崩壊を心配する声も少なからず聞くことができます。

このカラーダイヤモンド相場の上昇、人気がこのまま続くのか、または、一時的なバブルなのか、相場の行方に注意が必要です。

個人的には、希少性が高い、サイズの大きく、色が鮮明なカラーダイヤモンドについては、今後も、価格が上昇し続けるだろうと考えています。

カラーの鮮明さはもちろんですが、今後は、クラリティの高さについても、重要度がより増してくるものと思います。

11月に世界最大のオレンジダイヤモンドがクリスティーズのオークションに出品される予定です。

オレンジ(Ⅱ型)、VS1、ペアシェイプカット。予想落札価格は、17億~20億円となっています。

OrangeRAPAPORT WEEKLY REPORT 18 October 2013 より

2013年10月14日

Sotheby’s Hong Kong Auction on October 7, 2013.

2013年10月7日にサザビーズの宝飾品オークションが開催されました。

出品された商品全体の75%が売買成約し、総額約100億円!の出来高だったそうです。

今回のオークションの目玉として出品された商品の1つが、「The Premier Blue」と命名されたラウンドブリリアントカットの7.59ct、FANCY VIVID BLUE、IF(GIA)のダイヤモンド。

The_premier_blueオークションの結果は・・・約15億8千万円(1ct当たり2億8百万円)。

対して、売り手の希望価格が約18億6千万円(1ct当たり2億4千5百万円)・・・すさまじい世界です。

一方で、ホワイトダイヤモンドの落札価格として、史上最高額を更新したダイヤモンドがこちら↓

「118カラットのホワイトダイヤに史上最高額、香港サザビーズオークション」

http://www.afpbb.com/articles/-/3001009

オークション全体の買い手としては、アジアのコレクターが大部分を占めていたようです。

最近、業界的には、明るいニュースが少なかったので、このように高額なダイヤモンドの取引が行われるだけでも、うれしい限りです。

そして、いつかは、当社でも・・・。

2013年10月 5日

インドダイヤモンド産業の危機

インドのダイヤモンド産業が2008年のリーマンショック以来の危機的な状況に立たされているようです。

急激なルピー安のため、ダイヤモンド原石を購入して、研磨後、輸出しようとしても、利益が出ないことが一番の要因です。

また、そのような状況を見た銀行が、融資をストップしているため、資金的にも困窮している企業がほとんどです。

そして、もはや、0.3ct未満のダイヤモンドの研磨は、ほとんどストップしているのが現状のようです。

そのため、最近では、アメリカや東アジアの強い需要に応えるため、研磨済みのダイヤモンドの価格が上昇しています。

原石の価格は主に、デビアス社がコントロールしていますが、このような状況では、今のままの原石価格では、市場の需要供給のバランスがおかしいので、遅かれ早かれ、原石価格も見直しされるようになるかもしれません。

そうなった場合に、すでに研磨されたダイヤモンドの価格にも影響が出るのか否かが、非常に気になるところです。

最近のインド人のバイヤー、サプライヤーを見ていると、できるだけ、大きなダイヤモンドを手放したがっている(売りたがっている)ように感じますので、このままいくと、おそらく原石ダイヤモンド、研磨ダイヤモンドともに、少し価格が下落する可能性が高いのだろうと思います。

日本では、円安の影響で、価格が保たれていますが、インドの状況は、とても不安定で、主要な需要国である中国も、先行きは不透明なので、今後の相場の動きには十分に注意が必要になりそうです。

ではいつ売るのか?今で・・・それぞれの判断で。

Indiam RAPAPORT WEEKLY REPORT 4 October 2013 より