ジュエリー・バイヤーズ・ダイアリー

2014年6月

2014年6月29日

企業の社会的責任(CSR)について

Rapaport公正取引宝石会議がラスベガスで6月に開催され、企業の社会的責任(CSR)を宝石サプライチェーン全体で促進するための広範な価値理念が示されました。

1.採掘業者から消費者に至るまで、宝石産業において全ての人が大切であると認め、その考えを支持すること。そうするために、宝石業界全体が商品と商品の感情的価値観を改善していくよう協力して努力すること

2.商品を市場にもたらす人達それぞれの努力によって、宝石そのものの価値だけでなく人間的感情面の価値を含む絶対的な美の概念を作り上げること

3.サプライチェーン内の全ての人がこの目標達成向けてお互い助け合うよう奨励すること

4.宝石産業内の健康基準を確認すること

5.あらゆる場所、部門において環境責務を支持すること

6.宝石業界が作っている商品がどんなものか、どのように作られているのかを様々な場所で教育する援助をし、できれば業界内で働く人達に他の分野で使える教育を施すこと

7.サプライチェーン内において使用できる基本的最低限の安全基準をつくること

8.様々な部門、特に採掘部門において継続維持できる仕事の多様性を支持すること

9.宝石類を貧困軽減ツールとして使用するという概念を奨励すること

10.人道的サプラインチェーンの美的感情的価値を奨励すること

Rapaportグループ会長のBraunwart氏はこの理念の人間的な要素と商品を、業界以外の人に届ける必要があることを強調しました。

「結局詰まるところは人間です。人間が商品を売りに出し、人間が購入するのです。我々の商品にポジティブな印象をもってもらうため、私たちが何をしているのかについて人間対人間の理解を深める必要があります。」

ただ売るだけでなく、社会的な責任を考え、また、どのような想いを持って、商品を販売しているのかを、明確に打ち出していくことが、これからの宝飾品業界の発展には必要不可欠だと感じています。

誰を喜ばせて、誰を幸せにするために、商品を仕入れて、加工し、販売するのか?

今一度、原点に立ち返り、自分たちの存在意義を見つめ直す良い機会にしていきたいと思っています。

2014年6月 9日

美術館巡りの旅~2014年慰安旅行

5日間のお休みをいただき、富士河口湖~箱根周辺の美術館と温泉をめぐる旅に行ってきました。

まずは、静岡富士空港経由で河口湖へ。

ちょうど梅雨入りが発表されたため、富士山を見ることはできないかと心配しておりましたが、雲の切り目から、幻想的に浮かび上がる富士の姿を拝むことができました。

Fuji_2

それから、河口湖のほとりにある、山梨宝石博物館 を訪れ、多種多様な宝石の原石、カット石を見てまいりました。

中でも、ブラジル産のアクアマリン約140ctの美しさと、そのサイズに驚きました。

比較的、大きなサイズも産出されるアクアマリンですが、100ctオーバーのサイズは稀で、さらに美しさを兼ね備えているものとなると、非常に希少性が高く、はじめて目にしました。

さすがに、ルビーやエメラルド、サファイアなど、高価な色石では、美しいものは展示されておらず、全体的に、展示品の迫力には欠ける内容ですが、それでも、多くの種類の宝石を一度に見ることができる点においては、宝石のことがよく分からない方など初心者の方にとっては、よい博物館だと思いました。

それから、箱根に移動し、箱根ラリック美術館 へ。

アール・ヌーヴォーとアール・デコの時代を駆け抜けた宝飾とガラス工芸作家、ルネ・ラリックの作品が展示されている美術館です。

展示されている作品は、彼の作品の中の一部ではありますが、それでも、宝飾品という域を超えた、美術品と呼ぶにふさわしいオリジナルの作品を見ることができ、自分が持つジュエリーの概念を、よい意味で破壊することができました。

ほとんどの作品は、石や素材としては価値の低いものが使われているのに、それらの組み合わせと、独特なデザイン、精巧な作りの技術で、唯一無二の宝飾品が出来上がっていることに驚きました。

またそれにふさわしい美術館全体の雰囲気やスタッフの対応、自然との共生など、穏やかな気持ちで一日中ゆっくりと過ごせる、とてもよい美術館です。

いつか当社でも、このような美術館を作ることができたらいいな~と少し夢見ることができました。

最後は、ポーラ美術館 で、ピカソや、モネ、シャガールなどの名画を鑑賞し、福岡に戻ってきました。

4泊5日の旅行日程でしたが、普段とは違った環境に身をおき、芸術と美術、自然のエネルギーを浴びて、とてもリフレッシュすることができました。

来年は、海外へチャレンジしてみたいと思い、そのために、しっかりと仕事をして、世の中の役に立ちたいと思います。

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