人工ダイヤモンド(通称CVD)の問題が懸念されています。
国際的な鑑別機関IGIでは、2012年5月にアントワープとムンバイで、天然ダイヤモンドとして持ち込まれた何百もの人工ダイヤを鑑別したそうです。
RAPAPORT WEEKLY REPORT 25 October 2013 より
合成ダイヤを製造しているシオ・ダイアモンド・テクノロジー株式会社のCEOによると、2014年の夏までに現在の年間生産量(30,000〜40,000カラット)の10倍の生産を実現するための設備を中国に設置するために米国とイスラエルのパートナーと合弁会社設立契約に署名したそうです。
それらの人工ダイヤモンドを鑑別することは技術的に可能ではありますが、問題は、0.05ct未満の小さなメレダイヤのCVDを、天然のメレダイヤに混ぜて流通させる悪質な業者の存在が懸念されています。
0.3ctのCVDを鑑別することと、0.01ctのCVDを鑑別することと、手間や時間は同じなので、鑑別するダイヤの数が小さくなり、数が増えるほど、鑑別するコストもそれに応じて増加するため、0.05ct未満のダイヤモンドが、CVDのチェックをされずに、市場に流通するリスクが高くなってしまいます。
これまでは、メインのカラーストーンやダイヤモンドの鑑別のみ取得して、脇石の鑑別については、特に、鑑別をしていない製品が多く流通していますが、今後は、脇石(ダイヤモンド)についても、鑑別を行っていくことが当たり前の時代になってくるかもしれません。
当社でも、知らず知らずのうちに、人工ダイヤモンドを取り扱ってしまうリスクを最小限に抑えるために、鑑別機関との協力関係をより密にしていきたいと思います。